« これだけは知っておきたい検索技術 - アイレップの SEO スタンダード (2) | SEM ilog ホーム | 成功するキーワードの選び方 - アイレップのSEOスタンダード (3) »
SEM にペルソナモデルを活用する - SMX West 2008参加レポート(2)
前回の「Danny Sullivan が語る検索エンジン進化の歴史と今後の展望 」に引き続き SMX West 2008の参加報告をレポートする。今回は Paid Search トラックから「Search Marketing&Persona Models」のセッションを取り上げよう。
タイトルにある「ペルソナ」とは、マーケターが自社サイトへの訪問を期待するユーザータイプをモデル化し、そのユーザーが求める価値や経験を提供する手法である。このセッションでは、ペルソナモデルがいかにして SEM のパフォーマンスを向上させる手法となりうるかということについて様々な観点から迫り、ペルソナの作成と活用方法について説明する内容であった。
モデレーターは検索ユーザーの目線移動測定調査で知られている加 Enquiro Research、President and CEO の Gord Hotchkiss 氏が務め、米 Acronym Media、Founder and CEO の Anton Konikoff 氏が Q&A セッションを担当し、スピーカーとして米 Future Now、VP Marketing and ProductsのBrian Bond 氏と米 Portent Interactive、President の Ian Lurie 氏が参加した。
この四者によって議論された内容を紹介し、ペルソナモデル導入の有効性を伝えたい。
(1)なぜペルソナが重要なのか
この理由は大きく分けて二つある。
まず一つ目はユーザーの意思決定要因の多様性である。1992年頃までの約100年間、人々が最良の選択を行う際には、合理的な考え方によって決断を下すと仮定されてきたため、これまで心理学やマーケティングの分野では人間の感情が注目されることは少なかった。
しかし実際には、思考における合理化は複雑性を極めており、過去の経験や知識、そして感情が多分に影響をおよぼしている。そのため Hotchkiss 氏は、人間は常に意思決定要因の多元軸上に置かれているということを示して、必ずしもロジックだけでは決断が下されないということを説明した。
そして二つ目はユーザーの購買意思決定プロセスの類似性である。人間は遺伝子学的にも最も多様性に富んだ生物として認められているように、それぞれの人々は個性的である。
しかしながら、大部分の人の行動パターンの根本に大きな差異は無く、人々の購買プロセスは標準的な定義に当てはまるという。その顕著な例として Hotchkiss 氏は IQ スコアの分布図を投影し、大多数の人の IQ は100ポイントを中心として上下15ポイントしか変わらないということを示した上で、アイトラッキング調査の結果を用いて、ユーザーの検索結果画面での視線移動範囲も同様にほぼ変わりがないということを強調した。
このように、ユーザーの意思決定における決断要因は多様性を極めている反面、最終的な決断に至るプロセスはほぼ均一である。そのためペルソナモデルを利用することによって対象とするユーザーの特質を捉えることができ、機会損失を低減させてキャンペーンの効果を向上させることに役立つということを説明した。
(2)ペルソナの作成
ペルソナと一般的な対象ユーザーの大きな違いは、事前に設定する属性の明確さである。Lurie 氏はペルソナ作成までの工程としてまずセグメンテーションを行い、様々な調査結果を基にブレインストーミングを実施することを挙げた。その過程において、年齢や在住地域などの一般的なデータのみならず、収入や家族構成、趣味趣向や生活行動タイプなど、一人の人間のプロフィールを作り上げるように多岐にわたる項目を洗い出す必要があるとした。
そして固定観念やデータだけに捕われず、完全性のみに執着することなく、実際の対象者となる人へのインタビューを繰り返して、彼らの考え方や物事への感じ方についてよく理解することが非常に重要であるということを説明した。
さらに Hotchkiss 氏は男女の脳の差異をサーモグラフィの図を用いて示した。彼はユーザーが Web ページを閲覧する際に、男性の場合脳の一部分のみを使用するのに対して、女性の場合は二つの部分を使用して細部までよく見ているということに着目し、視線移動調査の結果の比較を行った上で、Web ページ制作時に男女の違いを意識することの重要性を訴えた。
(3)ペルソナの活用
最後に Bond 氏はペルソナモデルの効力が発揮される重要なポイントとして、ユーザーの感情移入を挙げた。人々が大切な人へ手紙を送るとき、相手のことを強く想いながら言葉を書き綴ることによって、その手紙を受け取った人の感情移入の度合いは高まる。同様に SEM でも、特定のユーザーに対して入り口から出口まで丁寧にデザインしていくことにより、自然と感情移入を起こさせ、購買行動に移るというという結果を示して説明した。
更に効果測定においても、ユーザーに売れた商品や Web ページ上でクリックされたリンクを確認するだけではなく、むしろ何が売れなかったのか、そしてどのようなリンクが不足していたのかということを分析し、適切なコンテンツを提供できるように全体を改善していくべきであるということを強調した。
現在ペルソナモデルは User Centered Design(ユーザー中心設計)の一手法として、製品開発やマーケティングの現場などで頻繁に導入されているが、これまで SEM に注視して語られることは少なかった。
しかしこのセッションで明らかにされたように、SEM においてターゲットとする検索ユーザーを一般的な属性だけで分別するのではなく、入念な調査の上に作り上げられたペルソナを意識して全体の流れを設計することにより、マーケターは検索ユーザーに意思決定プロセスの「物語」を提供することが可能となる。
ユーザーは与えられた「物語」の中へ自然に導かれることによって良質な感情移入を生み、マーケターは目標とするゴールを達成することができる。
最近では Microsoft adCenter を筆頭に、Google AdWords などにも高度なデモグラフィックターゲティング機能が追加され、ペルソナモデルを実行する基盤は整ってきている。
このセッションを通して、もはや検索キーワードのトレンドや抽象的なユーザー像を前提に意識するだけではなく、様々な研究によって明確化された一人のユーザーの精神的な部分へもアプローチすることを想定して、SEM 全体を設計する必要性に迫られてきているということを強く実感させられた。
執筆:株式会社アイレップ ビジネス推進チーム 岡本博之
[PR]
保険探し、生命保険の見直しなら 保険比較サイト 保険市場へ
学資保険、医療保険、生命保険などの最新人気ランキング、豊富な商品数から徹底比較。一括資料請求できます。
[PR] ランキング上位だけで満足ですか?売上げに直結するSEOならアイレップにお問い合わせを
2008年3月18日 12:43 - [SEMコラム]






