« 自社ブランドキーワードへの他社の出稿、見過ごしていませんか? | SEM ilog ホーム | 効率的にコンバージョンを増やすための4ステップ »
なぜ SEO の世界が、ソーシャルメディアマーケティングに目を向け始めているのか?
■世の中の動きが、検索の世界に様々な影響を与えている
人々の興味や関心事、世界で起きる日々の出来事が、私たちの検索行動はもちろん、検索エンジンによる Web の評価に影響を与え続けている。
これは検索エンジンやポータルサイト各社が提供するキーワード急上昇ランキングが示すように、テレビやニュースで報道された話題に人々が関心を抱いた時、それに対する検索回数が急上昇していることからも想像できよう。
また、Blog や SNS、ソーシャルニュースなどの CGM も興味や関心事に関連する多数のコンテンツやリンクを Web 上に生み出す。
先日ソフトバンクから Apple の iPhone 発売の発表が行われたが、これに呼応して多数のメディアや Blog がそれを取り扱い、ソフトバンクのコーポレートサイトや当該リリースページ、あるいは米国 Apple の iPhone のページなどに対する多数のリンクが発生していることをイメージしていただけると、よく理解できるかもしれない。
さて、こうした事象を検索マーケティングのテクニカルな視点で捉えると次のように解釈できる。
「特定キーワードの検索回数が上昇し、関連 Web ページへのトラフィックが増加した」「ソフトバンクにトラフィックだけでなく、大量の自然リンクが張り巡らされたことで、当該サイトへの被リンクが急上昇した。したがって、検索エンジンにおけるソフトバンクのサイト(ページ)の重要度の評価は高まった」ということだ。
■SEO は目的か?それとも(影響の)結果?
ところで、特に後者について「ソフトバンクは、(被リンク増加という意味で)SEO を目的に Apple との提携および iPhone の発表を行ったのか?」といえば当然ながら No だし、そんな風に考える人はいないだろう。あくまで、ソフトバンクは携帯電話事業の戦略の1つとして iPhone を採用したのであり、検索の世界に影響をおよぼし検索エンジンからの評価が高まったというのは結果に過ぎない。
同様に、大手メディアなどで取り上げられるような企業であれば、何かのサービスや新商品を発表するたびに、それが注目を集めれば必然的に関連するコンテンツやリンクが発生するし、結果として関連キーワードで検索するときっと検索エンジンの上位に表示されてくるだろう。これらも当然 SEO は念頭にないであろうし、繰り返すがあくまで経済活動の結果が検索システムの世界に影響を与えた結果に過ぎない。
検索エンジンはデジタルの世界に広がった Web を目の前に、そこで通常発生する経済活動と、それが Web に与える影響を理解した上で、ユーザーに対して適切な検索結果を返せる検索アルゴリズムを設計し、開発している。例えば Googlg がリアルタイムの検索数に応じて、どのページを上位に表示するかを決定する QDF アルゴリズムはそれを示す1つの例といえよう。
オンラインとオフラインが相互にリンクし、影響を与えあっている今、ある経済活動によって人々の関心が呼び起こされ、そしてリンクが生成されたのであれば、それは当然評価して然るべきものだ。
■効率よく「影響」を与える Amazon のアフィリエイトマーケティング
SEO の世界では「検索順位を簡単に上げる方法を知りたい」「どうやって大量の外部リンクをかき集めようか」といった、どうやって SEO という行為を行うかという話がよくされる。
しかし、先に述べた通りあなたが SEO をする・しない(行為)にかかわらず、世の中の動きやあなたの企業や団体の経済活動の成果が検索の世界やサイト、ページに影響を与えているため、その影響が大きければ必然的に関連語句で検索した時に、希望するページが自然と検索エンジンの上位に現れるのだ。
あえて「SEO」という名目の技術に莫大な予算を投下しなくとも、あなたが行う(SEO と全く関係ない)経済活動の成果がダイレクトに検索の世界に反映されさえすれば、本来 SEO それ自体のために何かアクションを起こす必要などないのだ。
実はこうした仕組みを上手に取り入れシステム化しているのが Amazon だ。同社が展開するアフィリエイトマーケティングは、それの目的は当然ながら「アフィリエイト」であるが、その成果はダイレクトに検索エンジンの自社に対する評価に連動するように技術的設計がなされている。
このマーケティングプログラムは、検索エンジンに影響を与える(=SEO の効果が出る)ことを視野に入れていた点で、先のソフトバンクの例と事情は異なるかもしれない。しかしアフィリエイト展開が進捗しなければ検索エンジンにも影響を与えることはないし、このプログラムに参加する誰もが SEO それ自体を意識して活動するわけではない。
アフィリエイターは商品を紹介し、小遣いを稼ぐために行動をしているし、また運営者側も売上を拡大するための手段の1つとしてアフィリエイトというマーケティングプログラムを選択しているに過ぎないからだ。そうした意味で、経済活動の成果を直接的に検索の世界に反映させている良い例といえるだろう。
■検索エンジンフレンドリーな状態は必要
ここで、検索エンジンと SEO の技術的な話をしよう。検索エンジンは世の中の情報を整理し、ユーザーからの検索要求に対して関連性(レレバンシー)の高い検索結果を提示するための方法の1つとして、リンクのつながり(web connectivity)を評価し、ページやサイトの重要度を推し量ろうとしている。
この時、本当に評価したい対象とするリンクは、順位上昇を主目的として(SEO 目的とした)リンクではなくて、先のソフトバンクの例で触れたような、経済活動の結果として、自然発生的に生まれたリンクやコンテンツだ。ネット上で自然に生まれたリンクのみでページのレレバンシーを評価するのが、検索アルゴリズムの設計思想上も理想であるからだし、リンク分析アルゴリズムの代表である PageRank も、もともと「リンクには特別な意味がある」という Web グラフの特性に着目して生まれた産物だ。
それならば、仮に世界中の誰もが検索エンジンの存在を知らされずに経済活動を行っていたとしても、検索エンジンは適切な検索結果を返すことができるはずだし、それが私たちに理想の検索結果を提示してくれると考えるかもしれない。しかしながら、現実はそんなに甘くない。
たとえば、先のソフトバンクの iPhone の例に考えてみよう。もしソフトバンクが発表文を(ありえないが)Flash で公開したり、クローラーがアクセス不可能な形式の URL であったり、あるいはクローラーという正体不明のアクセスを拒否するなどしていたら、インデックスすることはできない。
同様に、世界中の Web 制作者が好き勝手に、Ajax や Flash、画像、動画などの技術をベースとしたサイトを構築して情報発信を行ったり、Eコマースサイトが自社の商品在庫データベースとの最適な連携と消費者行動の解析のみを考えてシステムを構築していたら、世界中に情報は溢れかえっているのに、検索エンジンにそれが何のコンテンツであり、何のキーワードと関連するのかを正確に認識することが困難を極め、結果的に適切な関連性を保つことは難しくなってしまう。
人間が「良い」と思ったコンテンツを検索エンジンがアルゴリズムで同様に「良い」と判断できれば良いのだが、それが実現されるのは、まだまだ、ずっとずっと先の未来のお話だ。
そこで、発信した情報が人々だけでなく、検索エンジンに対しても意味を持つ、つまり「発信した情報が検索エンジンにも適切に伝達され、その内容や重要性が評価されやすくする技術」としての、つまり検索エンジンフレンドリーな状態を維持する手法としての SEO が要求される。また、みんなが好き勝手に Web サイトを制作すれば、検索エンジンにとって「見えない」ものも多数生み出される可能性は、Web 環境が進化し、新技術が登場するほどそのリスクが高まる。
そうしたことを見越して、Google、Yahoo!、Microsoft といった大手検索エンジンは Web マスター向けにガイドラインやサイト制作のための各種情報を提供して、検索エンジンがインデックスしやすい Web 制作の知見や知識を高めるための教育・啓蒙的活動も行っている。
■自然リンクが最良、しかし、獲得する術がない
繰り返しになるが、私たちは「SEO をする、しない」といった具合に、SEO を行為ととらえて話をすることが多いが、別に「SEO をしない」からといって検索エンジンの上位に表示されないわけではない。
オーバーチュア・スポンサードサーチやグーグル・アドワーズ広告は「広告」である以上、広告費用を支払わなければ決して検索結果には表示されないのに対し、自然検索でのリストを目的とする SEO は、仮にそれを「しなかった」としても、日々の経済活動が十分に人々のアテンションを得るに足るものである。
さらに Web サイト自体が構造的・コンテンツ的に検索エンジンが理解・評価されやすい「状態」に保持されていれば、「SEO をする」という行為を考えなくても、(関連キーワードで検索結果に上位表示される、という意味で)SEO されているといえよう。
つまり、SEO は「状態」を維持していれば、本来はその存在や技術を特別意識するものではない。
しかし現実には、マーケットにおける競争戦略上、他社が積極的に資金を投入してリンクを大量に獲得できる施策(積極的な行為)を行っている。検索エンジンからの売上のインパクトが大きな業種であり、一般サイトから被リンクを得られるチャンスが低いほど、対抗上、外部リンク対策も積極的に展開する必要に迫られる。
企業にとって利益につながる、コマーシャルクエリ(キーワード)は限られている。そして、そのクエリに対して「上位」に表示できるポジションもまた有限だ。その限りある場所を獲得するか、しないかによって自社の成長が左右されるのであれば、また特別な施策の実施によってその場所を奪う確率がずっと高まるのであれば、利益追求を目指す企業がそれを積極的に行うのは当然の帰結だ。
とはいえ多くの SEO 担当者は、こうした SEO を目的とした外部リンク対策よりも、前半で触れた「自然リンク」を獲得することが最良の SEO であることを理解している。ユーザーが自然に、自発的に張るリンクを幅広く集めることが、検索マーケティングのリスク管理の上でも、コストパフォーマンスの観点からも最良なのだ。実際、検索エンジンがもっとも評価するのは SEO のみを目的として人工的に生成されたリンクではなく、人々が自発的に、何らかの理由で張りめぐらされた自然リンクだ。
ただし、自然リンクを獲得することはすべての企業や個人にできることではない。日常的に人々の注目を集められる、多大なる広告予算をテレビや新聞、雑誌などにつぎ込んで告知活動が行える大企業や、非常によく知られたブランド商品やサービスを持ち、人々の興味の琴線に触れるような商材を扱う一握りの企業に限られていたのだ。
さらに、莫大な情報量が溢れかえる今日のデジタル世界においては、優れたコンテンツを作成してもそれに対するアテンションを得ることが非常に難しいことも、問題を複雑にしている。
仮に、誰もが素晴らしいと感想を洩らすような優れたコンテンツ(ブロガーが見れば誰もがそれに言及せずにはいられず、リンクも張るようなコンテンツ)を作成したとしよう。
こんなコンテンツであれば自然と検索上位に表示されるかもしれないが、表示されるようになるのは「人々が訪問して評価した後」の話だ。つまり、評価してもらうための人々はどうやって集めてきたらいいのだろうか。優れたコンテンツであれば、公開さえすればどこからともなく勝手に人々はやってくるのだろうか。
コンテンツを公開しても、それを多くの人の目に触れさせるためには検索エンジンの上位に表示させる必要がある。しかし、自然リンクで検索上位に表示するためには、そのコンテンツは多くのユーザーの評価を得ていなければならない。
つまり、最初に検索エンジン以外の経路で持って人々の評価を得なければならないのだが、「検索エンジンにヒットしない情報は存在しないに等しい」と言われる今日において、どの個人や企業でも実現するのは至難の話だ。
ただ、もしも検索以外の経路で露出させるチャンスがあれば、話は別だ。
■コンテンツ回帰に導くソーシャルメディアマーケティング
この現状を変えうる可能性を秘めたメディアが Web 上に出現した。それがソーシャルメディアだ。
Blog や SNS、ソーシャルブックマーク、ソーシャルニュース。これらユーザー参加・共有型のサイトは、それ自体が SEO 的価値を持つリンクを直接的に生成するわけではない。
しかし、これらのメディアで注目を集めた個々の商品やサービスは、大量のトラフィックやリンクを間接的に集めることができる。日本なら livedoor clip や Buzzurl、はてなブックマーク、海外なら digg といったサービスがあるが、たとえば digg であればトップページで紹介されることで平均被リンク数が数日間で500ほど増えていたり、はてなブックマークでも同様にトラフィックが通常の10倍以上になることは少なくない。
これまで自分が関心あるコンテンツを見つけ出すためには検索エンジンを使う必要があった。しかし、どんなに良質なコンテンツを Web で発信しても、それが検索エンジンで見つかる状態でなければ閲覧も評価もされず、結局(良質であっても)人に見せる機会は生まれなかった。
しかし、ソーシャルメディアが出現し、それを見て良いと思った人々が集まることでアテンションを得て、トラフィックが生まれ、Blog などで紹介されることで被リンクが集まり、検索エンジンでも見つかるようになり、そしてまた検索経由で訪れた人々に評価されるといった具合に、それぞれが巡回し良いコンテンツが見つけられやすいようになった。
こうした Web 環境の変化に目をつけ、米国では1~2年の間に検索マーケティング関連の Blog やニュースメディアでも SMO や SMM などの話題が頻繁に取り上げられ、また検索系コンファレンスでも必ずといって良いほどソーシャルメディア関連のセッションも設けられるようになっている。
SMO や SMM はあくまで Blog や SNS、ソーシャルメディアなど新たに台頭したメディアへのマーケティングであって、SEO は目的ではない。コンテンツが良くなければユーザーはそれに反応しない。つまらないコンテンツであれば一所懸命ソーシャルメディアの渦にそのコンテンツを投げ込んでも、誰もがそっぽを向くであろう。
そうした意味において、ソーシャルメディアの登場は質の良いコンテンツを作成すれば継続的に人々の来訪を招き、純粋に支持するリンクが増えていくことを指し示しており、ここで改めて「良いコンテンツありき」という SEO の大前提への回帰が促されるであろう。
企業にとって、ソーシャルメディア自体は無視できない存在になりつつあるので、それに対する施策を行いつつ、同時に検索エンジン対策もできるという点で効率的といえる。また、SEO を主目的とした外部リンクは、リンク獲得とソーシャルメディアマーケティングを通じて自然発生的に得られたリンクのコストやパフォーマンスを比較した時、後者が圧倒的に優れている。
SEO はそれ自体を目的としなくても、他のマーケティング施策から影響を与えることで実施する方法もあるということを認識し、本稿で触れた SMO に限らず各種の企業活動を見直してみるといかがだろうか。
執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広
[PR]
保険探し、生命保険の見直しなら 保険比較サイト 保険市場へ
がん保険、医療保険、生命保険などの最新人気ランキング、豊富な商品数から徹底比較。一括資料請求できます。
[PR] ランキング上位だけで満足ですか?売上げに直結するSEOならアイレップにお問い合わせを
2009年01月01日 00:00 - [SEMコラム]













